医療

それ「胃がん」の症状?食欲が無い、最近痩せた…?

はじめに

あなた、もしくはその身近な人「胃がん」じゃありませんか?

最近、飲み会続きのせいか胃が疲れているのか食欲がない…

特に理由もないのに痩せてきた?

そんな方は特に注意してください。
「ただ胃が疲れているだけ」、「薬だけ飲んでおこう」そんな考えで来院が遅れる患者様がいます。がんが進行してしまった方や、手の施しようがなく亡くなってしまった方を私は何人もみてきました。
そうなる前に一度病院へ受診をして検査を受けてみてください。

今回は胃がんについて詳しくまとめていきます。

胃がんの症状とは?

胃がんの怖いところが、

早期胃がんの状態だと特有の症状が現れないところです

その為に、発見が遅れる事があります。しかし合併する潰瘍により上腹部不快感や、心窩部痛により早期胃がんが発見される事があります。
進行胃がんまで悪化すると以下のような症状が現れます。

  • 腹部不快感
  • 腹部膨満感
  • 患部からの出血
  • 出血による黒色便、軟便傾向
  • 出血による貧血(※運動時息切れ、易疲労感)
  • 増大した腫瘤によるしこり
  • 腫瘤による閉そく障害、食欲不振
  • 体重減少

これらの症状は、胃がんに限ったことではありませんが、何かしらの消化器異常のサインになりますので上記症状が現れたら病院へ受診しましょう。

私の経験上ですが、医師からのCT検査依頼の際、精査目的で「体重減少・食欲不振」とコメントがある場合によく進行胃がんを見る機会があります。
冒頭部分と重ねてになりますが、あなた自身もしくは身近な人で「ここ最近痩せたなぁ…」という方はいらっしゃらないでしょうか?
特に理由もなく1か月で5kg以上体重が落ちているようだと何かしら異常があるかもしれません。

胃がんになりやすい人とはどんな人?

残念なことに胃がんのはっきりとした発生原因は特定されていません。
ただし、環境因子や宿主因子として

  • 食塩の多い食事
  • 喫煙
  • 肥満
  • 糖尿病
  • ピロリ菌

などが関与していると考えられています。
特にヘリコバクターピロリ菌の長期持続感染は萎縮性胃炎および、腸上皮化生を引き起こし胃がんの、発症を増加させます。

また男性で年齢40歳以降は消化器系がん、胃がんの発症率が高くなります。
仕事も役職がつき忙しくなり、かつ子供がいれば育児も大変な年齢ではないでしょうか?
胃がんに限らず、がんは若いほど進行が速いので、身体のメンテナンスを怠ってしまうと大きな病気にかかってしまい大切なご家族が悲しむことになります。そうならないように常に身体の異常サインには気を付けましょう。

また私自身が驚いたのが、世界の胃がんの発症数の半数は東アジアが占めており、またその中でも日本がトップということです。

胃がんの統計は? (※2019年現在)

そもそも日本の死因てなにが多いの?

初めての投稿でいきなり怖いことをいうようですが、がんは身近なところに潜んでいます。厚生労働省が発表する「死因簡単分別」によると平成30年の死因1位は男女とも悪性腫瘍、つまり「がん」となっています。しかも昭和56年以降ずっと1位から変動していません。

どれくらいの人が胃がんで死んでしまう?

毎年胃がんの男性患者が3万以上、女性患者は1万7千人程度が亡くなっています。
2017年度の厚生労働省のデータによると、胃がんは男性の死亡比率では第2位、女性の死亡比率では第4位と高い割合を占めています。

胃がんの5年生存率は?

なんで「5年」生存率なの?

基本的にがんの治癒とは5年間再発が起きなかった場合に完治とされます。その為にがんの生存率を考えるときは5年生存率を適応されることが多いです。
「%」表記で、この数値が高ければ治療によって完治する見込みが高く、逆に低ければ治癒率が低く5年生存するのが困難になります。

胃がんの生存率は?

では胃がんの生存率はどの程度の高さでしょうか?
生存率はがんの進行度によって大きく変わってきます。進行度は「ステージ」で表されます。ステージについてはまた後の章で説明していきましょう。

胃がんの5年生存率はステージⅠでは90%以上、Ⅱで60%程度、Ⅲでは50%を少し切ります。そしてⅣでは10%を切ります。表記の通り、ステージⅣでは生存率は著しく下がります。

近年は胃がん検診が増え、早期胃がんでの発見が多くなり胃がん全体としての生存率は高くなっています。記事を読んでいただいているあなたも是非定期的な健康診断を受けてみてはいかがでしょうか?

「早期胃がん」と「進行胃がん」の違いは?

さて、一般に早期がんや進行がんという言葉を知っている方は珍しくありませんが、その違いは?となると、いまいち一般に知られてはいません。
「早期胃がん」と「進行胃がん」の違いは胃壁への侵食具合により変わってきます。具体的には筋層という層まで到達すると、進行胃がんに分類されます。この胃壁進達度については次の胃がんの分類で詳しく触れていきましょう。

胃がんに分類てあるの?

この章では胃がんの分類について触れていきます。早期胃がんと、進行胃がんはこの分類分けで判断されるので、医療従事者は絶対に知っておきたい項目です。

胃壁深達度分類

胃がんには胃壁への深達度によりT1〜T4にまで分けられます。特に粘膜までの進度であればT1、筋層以降の進度はT2〜4と分けられます。この境目で早期胃がんと進行胃がんが分けられ治療内容や手術範囲も変わってくるので非常に重要になってきます。

肉眼的分類

内視鏡で胃の中をのぞいた際に胃がんの全容がはじめてかります。この際の形状をもとに分類分けを行うのが、肉眼的分類にとなります。ボールマン分類とも呼ばれ0型〜5型まで分けられます。

組織型分類

がんを細胞レベルまで細かく見ると、同じ胃がんでも違う姿がが見えてきます。その分類分けを組織型分類と言います。胃がんは主に腺がんという細胞組織の集合体で出来ています。

他にも乳頭腺がん、印環細胞がん、粘液がんが胃がんでは一般的ですが、特殊型として稀ですが、扁平上皮がん、カルチノイド腫瘍といった分類分けも存在します。この組織型により、症状の度合い、増殖の速度、悪性度、予後様々な違いが出てきます。

胃がんのステージ

上記した、胃壁進達度と肉眼的分類、後は転移の有無により胃がんのステージが決まります。転移については次の章で詳しく説明しましょう。ステージはⅠ〜Ⅳまでで分けられますが、このステージⅣにまで胃がんが進行してしまうと、限りなく予後が悪くなったり、下手をすると手の施しようがない状態になってしまいます。

胃がんて転移するの?

胃がんは転移するの?ということですが、
医療従事者でなくても、「転移するんでしょ?知っているよ!」ということはご存じの方が多いです。しかしどこまで、どのように胃がんが転移するかはご存じないのでしょうか?
意外かもしれませんが、がんは隣接した臓器以外にも転移をしていきます。

肺や骨、脳、骨髄そして皮膚にまで転移はおよびます。

消化器外科のCTの撮影オーダーで「上腹部から骨盤」までという指示を受けることがあります。
私たち技師は「この人胃がんだ…」と病変を見つけるとついそこに目を奪われがちですが、転移の事を忘れてはいけません。
お腹の中ばかり見ていると、撮影範囲に少しだけ含まれている肺の部分に転移したがんを見逃してしまう…そんなことになりかねません。

胃がんの転移の種類は「リンパ節転移、肝転移、腹膜転移、遠隔転移」分けられ、この転移の有無と胃壁深達度によって胃がんの進行度が決められます。

なおこの転移があった場合は1番重度のステージⅣの診断がついてしまいます。

進行度によって治療方針や手術方法や範囲も大きく変わっていきます。診療放射線技師としては見落としができない重要なポイントとなります。
では胃がんの転移の種類について次は詳しくまとめていきましょう。

肝転移

まずは肝転移についてです。
肝臓は胃の近くだからなんとなくわかる…という方もいるでしょうか?

まずは胃でできたがん細胞が、胃の静脈から門脈を通り、肝臓内の微小血管にくっつき成長するこで肝転移を起こします。この血流を介した転移を血行性転移ともいいます。各臓器の静脈はこの門脈に流れ込むので胃がん限らずがんの血行性転移はよく見られます。診療放射線技師の仕事として、肝臓への転移チェックとしてCTの検査は日常茶飯事ですね。

肝臓への転移は1ヶ所ということ少なく、後から2か所、3か所と見つかりことが多々あります。したがって見つかった場所を単純に切除すれば良いというわけではなく治療を困難にします。

リンパ節転移

リンパ節を皆さんご存じでしょうか?
言葉自体は知っているという方が多いと思います。しかし身体のどこにある?となるといまいちよくわからないという方がいらっしゃると思います。

首?お腹?皮膚?
実は全て正解です。身体のあちこちにリンパ節はあります。もちろん胃の周りにもリンパ節がたくさんあります。胃で発症したがん細胞が、リンパ節を通って次第に身体の遠くに転移することをリンパ性転移と呼びます。
胃のリンパには1~3群と分類されており、手術の際の切除範囲を決定する際の決定基準にもなっています。

腹膜転移

まずは腹膜て何?と思われる方もいると思いますので簡単に腹膜の説明をさせていただきます。


私達のお腹の中には風船のような薄い膜があり、その中に胃や肝臓腸管などの消化器官が包まれています。その膜が腹膜です。腹膜は消化器官の保護や動きの補助、または感染からの防御などの働きをします。

腹膜転移は胃壁進達度が一番外側の漿膜まで進行してしまい、がん細胞が腹膜内に飛んでしまった状態を言います。
こうなってしまうとがん細胞は腹膜に種をまかれたかのように散ってしまい、この転移様相を「腹膜播種」と呼びます。

この状態になると手術での治癒も困難になります。目に見える範囲のがん細胞を切除しても時間が経つとまかれた種のように腹膜内のがん細胞が大きくなってしまいます。

遠隔転移

上記した3つの転移方法とは別の方法で転移した場合を遠隔転移とします。
具体的には胸膜転移や胃に所属する1~3群のリンパ節以外からの転移は遠隔転移といいますが、多くは上記3種類による転移が多いとされています。

胃がんの検査の種類は?

採血

採血はあなたの知る検査でなじみ深いものでは無いでしょうか?
誰でも一度は受けたことがあるでしょう。そんな採血について簡単に説明しましょう。

腫瘍マーカー

がん細胞は腫瘍マーカーというがん特有の血液性物質を生成します。胃がんでは特に「CA19-9」や「CEA」が生成されます。ただ注意しなくてはならないのは確実にその数値があがるわけではないので、他の検査と合わせて腫瘍マーカーは確認されます。

ペプシノーゲン検査

ペプシノーゲン検査は胃がんのリスクになる「萎縮性胃炎」が生成するペプシン測定をおこないます

胃内視鏡検査

CT検査とあわせて胃がんの確定診断の要となるのがこの胃内視鏡検査です。CT検査で「この人胃がんっぽいなぁ…」なんて人は後日に胃内視鏡と造影CT検査が入っているのをよくみます。

X線レントゲン検査

レントゲン検査だけでは胃がんを診断することはできません。しかし入院時検査や術後検査として腹部レントゲン撮影は行われます。出来れば立位での撮影が望ましいので、術後のお腹が痛む時期は患者様の大きな負担と言えるでしょう。

CT検査

胃がんが疑われる際に行われる検査で最も簡便な検査がこのCT検査です。診療放射線技師として詳しく説明していきます。

まずは単純腹部のCT検査です。健常患者の検査であれば、検査と画像処理を含めても15分かかりません。腹部CT検査の前は食事をしないでいただきます。食事をとってしまうと、胃の中に物がつまり、胃壁と食べ物の見分けがつかなくなる場合があります。

また胆のう内のたん汁が流出してしまい、胆のうの確認も困難になります。この単純CTで胃がんが疑わしい場合は胃内視鏡検査や造影CT検査を行います。

単純CT検査では胃がんの確定診断はつかないので造影剤を使用した造影CT検査を行います。造影剤は腕の血管から全身を巡り、CT画像で臓器を見やすくします。胃がんなどの腫瘍は血流を多く取り込む傾向があるので、画像上で強い信号を表示します。

造影剤は身体に入ると薬の作用で全身がかなり熱くなるので、技師や看護師は患者への事前説明をしっかり行うようにしましょう。この造影剤を使った検査だと準備や説明があり、撮影も数回行うので時間は最低でも30〜40分はかかります。

造影剤が体質的に合わない人はごく稀に副作用が出るので、検査終了後ご気分が優れない方はすぐに申し出てください。特にアレルギーをお持ちの方は副作用が出やすい傾向にあるので要注意です。

撮影した画像は画像処理を行います。技師の腕の見せ所にもなりますが、造影CTの画像があれば3D画像の作成なんかもできてしまいます。3D画像は血管と臓器の位置関係がよくわかるので手術のイメージがつきやすく、また患者様への説明にも利用できます。

作成に時間はかかりますが、技師の大きな仕事の一つと言えるでしょう。もし造影検査を受ける方でせっかくなので見てみたい、という方は医師にお願いしてみましょう。特に追加費用がかかったりというような心配はございません。

通常の状態では胃がしぼんでいて、画像でわかりにくい為に、検査の前に発泡剤という胃を膨らませる薬を飲みます。かなり胃が張り、ゲップが出そうになりますが、我慢をしていただくので、患者様に負担を与えてしまいます。

しかも発泡剤を使用する検査は造影CT検査が多いので時間もかかります。負担軽減の為に検査を出来るだけ早く進めるよう技師は心がける必要があります。

術後の経過観察にもCT検査は行われます。感染症による炎症、腸閉塞、胃がんの再発などの確認ですね。
このように胃がん患者に対してCT検査は何度も行われます。

X線透視検査(バリウム検査)

「バリウムを飲んで、機械の上でゴロゴロする検査でしょ?」といった感じで皆さんもご存知の方が多いのではないでしょうか?健康診断で良く受けるのでご存知の方も多いのでしょう。おおむねご想像いただいているとおりですがもう少し詳しく説明をさせていただきます。

バリウム検査前はCT検査同様で禁食となっています。CT、バリウム検査に限らず病院検査前は様々な制限を受ける場合があるので、医師や看護師からの説明はしっかりと聞きましょう。患者様ご本人の理解が難しいようであれば、お付き添いの方が同席して説明を受けるのがベストですね。

そもそも何故バリウムを飲むんですか?という質問を受けることがあります。答えは単純、バリウムが無いと画像上で胃がボンヤリとして形状がよくわかりません。バリウムは透視画像にしっかりうつるので、バリウムを飲んではじめて胃のハッキリした形がわかります。

バリウムを飲んでいただいた後は、透視装置に立っていただき必要な体位をとっていただきます。身体を動かすことにより、胃の中にあるバリウムが胃壁の表面をおおいます。

胃がんの場所はひきつったり凹凸があるので、画像上でバリウムがそのような広がり方をしていたら要注意ですね。見落としがないように様々な角度から撮影を行います。検査時間は技師の腕によりますが、健常者であれば、20分程度で終わるでしょう。

バリウム検査で胃がんが疑われた場合は胃内視鏡やCTで精密検査となります。検査が終わった後は下剤を飲んでいただきます。バリウムは固まりやすい性質があります。便秘の方は腸管の中で固まりがちなので、下剤を飲んでたくさん水分をとって速やかにバリウムを身体から排出しましょう。

超音波検査

超音波検査をあなたはご存知でしょうか?
超音波検査とはプローブという機械を身体にあてることにより、体内の様子を確認する検査です。知っているよという方も多いかもしれませんが、

胃がんの超音波検査ではそのプローブという機械を飲み込んで直接身体の中を見る検査です。

私の勤務をする病院ではあまり一般的な方法ではありません。ゴールドスタンダードはCT検査と内視鏡ではないでしょうか。

核医学検査(PET)

胃がんは栄養や血流を豊富に取り込みます。
その性質を利用するのが核医学検査になります。核医学ではブドウ糖を含んだ放射性のフッ素を身体の中に投与します。そうするとどうでしょう?糖を必要とするがん細胞に取り込まれていきます。

取り込まれたブドウ糖からは放射線が発生しているので装置で計測を行います。従って胃がんが実際に存在する場合は画像上でその部分に強い信号があらわれます。また胃がんからの転移や再発の確認も行うことが出来ます。

病理組織検査

胃がんと一口に言っても実は細胞レベルで見ると様々な形をしています。分類分けでも少し説明しましたね。この病理組織検査では内視鏡や手術の際に採取した細胞の形態を確認をすることが可能です。

胃がんの治療方法は?

胃がんの治療方法は早期胃がんと進行胃がんで大きく内容が異なってきます。一通り治療方法について説明していきましょう。

早期胃がんの治療方法

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

早期胃がんであれば内視鏡で胃がんの摘出が可能です。
まずはEMRについて説明いたします。EMRでは病変部粘膜下に生理食塩水を注入します。盛り上がった病変部分をスネアで焼き切る方法がEMRになります。しかしこの方法は、胃がんのサイズが2cm以下で、周囲リンパ節への転移への可能性が無い場合の選択となります。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

ESDは基本的にEMRに準ずる方法で治療を行います。
ただ摘出後、高周波を発生するナイフで周囲を焼き切るので、EMRより広範囲に治療を行う方法となります。

進行胃がんの治療方法

幽門側胃切除 再建法

まずは胃の幽門部側、つまり胃の中部から下部に胃がんがあった場合の手術方法です。幽門部切除を行なった後は、胃と腸管をつなぐ再建方法も行わなければなりません。

再建の方法には、単純に切った胃と腸管をつなぐ「ビルロートⅠ法」、切った腸管を閉じ腸管の途中から胃を繋ぐ、「ビルロートⅡ法」、さらに複雑なのが空腸と胃をつなぎ途中から十二指腸を繋ぐ「ルーY法」があります。

胃がんは幽門部側の方が好発部位であり、私の勤務医院でもこの術式で手術が行われます。切除と再建を行うので3〜4時間程度かけて手術を行なっています。

噴門側胃切除術 再建法

胃の入り口、噴門部に胃がんが発生した場合です。噴門部側も切除した場合に再建法が必要となります。食道と切除した胃を直接繋ぐのが「食道残胃分合法」です。簡便な術式であり、術後の経口摂取が良好に行えます。

もう一つの噴門側の手術方法に「空腸間置法」があります。こちらは食道と残胃の間に、空腸の一部を切り取り繋ぐ方法があります。この方法だと術式が複雑になりますが、食べ物が生理的な流れになり、逆流性食道炎がおきづらくなります。

胃全摘術(切除範囲・血管処理)

胃がんの範囲が広範囲にわたり、各リンパ節を侵している場合は、「胃全摘術」が必要になってきます。
その際に脾門部のリンパ切除のために脾臓も同時に摘出されます。また胃への流入出がある右胃大網動静脈、右胃動静脈、左胃動静脈は各根元部で処理が行われます。

他にも脾動静脈の処理や総肝動脈周囲のリンパ節処理も必要になってきます。病変の切除、リンパの処理を全て終えた後はルーY法での再建法が一般的とされています。

拡大手術

各リンパ節や隣接臓器まで浸潤が及んでいる場合に、根治治療を目指す場合はこの拡大手術が行われます。
隣接臓器としては、結腸合併切除、肝外側区域切除、膵頭十二指腸切除のなどが追加で行われうことがあります。

姑息的手術

ここからは根本的な胃がんの治療ではなく、症状の緩和を目的にする対症療法が中心となっていきます。
姑息的手術では胃がんの切除による根治が難しい場合でも、胃がんの切除により食べ物の経口摂取が良好になる見込みがある際や、または病変部からの出血により貧血を起こす恐れがある場合は部分的な病変の切除を行う事があります。

胃瘻造設術

胃がんで食べ物が食べられなくなる…、また違う理由で食事をとる事が出来ない。そんな時は胃瘻の造設を行います。
胃瘻とは井に穴を開け、そこからチューブを通し直接胃に栄養を送るシステムとなります。
姑息的手術も困難だったり、一時的な栄養補給の為に胃瘻の造設はよく行われています。

化学療法

緩和療法しか行えず、かつ姑息的な切除が行えない…そんな時には抗がん剤の投薬による化学療法での延命を図ります。化学療法では基本的にがんの進行を食い止めたり、小さくすることは可能ですが化学療法による根治は難しいとされます。
ただし、抗がん剤には副作用があるので全身状態の許す限りとなり限界があります。

胃がんの術後管理

手術が終わったからといって、もう心配なし!というわけにはいきません。胃がんの術後には様々な症状があらわれることがあります。縫合不全による熱発や感染症、癒着による腸閉塞(イレウス)、ダンピング症候群など、手術方法や内容によって変わってきますが、入院中の患者容態はしっかりと確認が必要でしょう。

術後検査

術後検査として、何かしらの症状がでていればCT検査や採血を定期的に行います。また状態が落ち着いた後の食事が通りにくいといった場合にはX線透視で造影剤を飲んでいただき、通過の様子を確認したりします。

退院後も症状が無かったとしても、胃がんの再発や他臓器への転移を確認するために定期的な通院、検査を受けてただきます。

まとめ

胃がんは近年増加傾向にありますが、早期発見出来れば根治可能ながんです。もし少しでも症状を感じるようであれば早目に受診するようにしましょう!

また余裕のある方は定期的な健康診断を是非受けてみてください。早期胃がんの多数は健康診断で見つかっています。
気になる方は是非お近くの病院でご相談しましょう!

ABOUT ME
ryuji
はじめまして!プロフィールの閲覧ありがとうございます。 ryujiと申します。診療放射線技師として経験を積み、現在は仕事上で得た知識を広めていきたいと思い、ブログ運営を行っています!また自分が苦労した転職活動においても人材事業を通してサポートしていきます! ★2013年:診療放射線技師取得 ★2014年:放射線取扱主任者1種取得